〔コラム〕「声が通らない」「滑舌が悪い」を現場MCが解決する発声・発音の3つのコツ
先日、こんな記事を見かけました。
「毎週水曜日、ランチタイムたった15分の英会話セミナーで発音力を強化」——忙しいビジネスパーソンが隙間時間を使って発音を磨いている、というニュースです。
これを読んで、すごく共感したんです。「発音って、ちょっとした意識の積み重ねで絶対に変わる」って。英語に限らず、日本語の発声・発音も同じだと思うんですよね。
「声が小さいって言われる」「滑舌が悪くて聞き取りにくいと感じる」——そんな悩みを持つ方に、ぜひ読んでほしくてシェアします。
声の通り方も滑舌も、正しい方法で練習すれば必ず変わります。私自身、MCとしてデビューした頃は「声が弱い」と言われ続けました。今日はその経験から得た、即効性のある3つのコツをお伝えします。
「声が通らない」のはなぜか?発声の仕組みを知る
まず知っておきたいのが、声が通るかどうかは「声の大きさ」ではないということ。大声を出しても通らない人がいる一方、小さな声でもよく通る人がいますよね。その差は「共鳴」にあります。
声楽や音声学の研究では、声の通りやすさは声帯の振動だけでなく、胸・口・鼻腔の共鳴によって決まることが示されています。つまり、喉だけで声を出そうとするから通らない。体全体を楽器のように使うことで、自然と遠くまで届く声になるんです。
私がアリーナMCとして数千人の会場で話すとき、マイクがあっても「体に響かせる意識」を忘れません。マイクは声を大きくするだけ。声の質は自分の体が作るものです。
コツ①「腹式呼吸」より「背中で呼吸する」感覚を持つ
「腹式呼吸が大事」とよく言いますよね。間違いではありませんが、「お腹を意識して」と言われても難しいという方が多いんです。
私が現場でよく使うイメージは「背中で息を吸う」感覚です。まぁ、背中というより、背中の横ですかね。脇腹のちょい後ろです。息を吸うとき、背中全体が広がるように意識する。これだけで横隔膜が自然に下がり、深い呼吸ができるようになります。
今すぐ試せる練習法:椅子に座って背中をまっすぐにし、鼻から4秒かけて「背中が広がるように」息を吸う。口から8秒かけてゆっくり吐く。これを5回繰り返すだけで、声の安定感がまったく変わります。本番前の2分間、これをやるだけで声の質が変わりますよ。
コツ②滑舌は「舌の筋トレ」で劇的に変わる
滑舌が悪い原因のほとんどは、舌の動きが小さいことです。日常会話では舌をあまり動かさなくていいのですが、人前で話すときや、マイクを通して声を届けるときは、舌を大きく動かすことが明瞭な発音につながります。
音声言語医学の観点からも、舌の筋肉は鍛えることで動きが改善されることが確認されています。特に「タ行」「ラ行」「サ行」は舌の先端の動きが重要で、ここを意識的に動かす練習が効果的です。
おすすめの練習は「タングトリル」。舌先を上の歯茎に当てて「ル゛ル゛ル゛…」と巻き舌にする練習です。最初はうまくできなくても大丈夫。毎日30秒続けるだけで、2週間後には舌の動きが格段によくなります。私も今でも本番前の準備運動として欠かさずやっています。
コツ③「口の開け方」を変えると声が別物になる
声が通らない人のもうひとつの共通点が、口の開き方が小さいこと。口が小さく開いていると、声が口の中でこもってしまいます。
意識するポイントはたったひとつ。母音(あいうえお)を発音するとき、縦に大きく口を開けること。特に「あ」と「お」の発音で、上下の歯の間に指が2本入るくらい開けることを意識してみてください。
私がライブコマースやイベントMCの仕事をするとき、楽屋で必ずやるのが「あえいうえおあお」を大げさなくらい口を動かして言う練習。鏡を見ながらやると、自分の口の開き方のクセがよく分かります。最初は顔の筋肉が疲れるくらいが正解です。
まとめ
- 声が通るかどうかは「大きさ」より「共鳴」で決まる
- ①「背中で息を吸う」感覚で深い呼吸を作る
- ②タングトリルで舌の筋肉を鍛え、滑舌を改善する
- ③母音を縦に大きく開けて、声のこもりをなくす
声と発音は才能ではなく、習慣です。今日から毎日2分の練習を続けるだけで、1ヶ月後には「話し方が変わったね」と言われる自分になれます。あなたの声は、もっと遠くまで届けられる。そう信じて、一緒に鍛えていきましょう。

